熊本のエコワークスさんでの写真撮影セミナー

 OMソーラー主催でOM会員工務店を対象とした「撮影テクニック向上セミナー」に出席してお勉強してまいりました。
会場は熊本のOM会員工務店さんのエコワークス㈱さんのモデルハウス。
こちらの建物を実際に撮影させていただきながら、プロのカメラマンの方に「上手に建物空間や外観を撮影するコツ」をレクチャーしていただきました。
教えていただいたのは建築写真家の上田 明さん。OMソーラーハウスの素敵な広告写真をたくさん撮影しておられます。

こんな機会はなかなかない。これはチャンスと、熊本へ。
うちの事務所の柳ちゃんとカメラを持ってエコワークスさんへお伺いしました。

 わたくしもデジタルの一眼レフで住宅の完成写真などを撮影してホームページにUPしたりしています。
一応ですね写真撮影の基本的要素の「絞り、感度、シャッタースピード」+ホワイトバランスなどは意識しながら撮影をしているのですが・・いかんせんまったくの我流、野田流でありまして(笑)
それをプロの方々はどれくらいの値に設定して撮影されているのか知りたかったのですよ(^^)・・・。

まず上田さんからカメラの基本的な仕組みを教えてただいて、いろいろなデジタルカメラならではのメリットデメリットなどもお聞きしました。
●ミラーレスのデジカメは歪みが少ない。
●外観はホワイトバランスは太陽光モードで撮ることが多く、室内はWBオートでOK
●色調は少し派手め撮影(風景モードなどで)くらいが印刷した時に色が出るようだ
・・・・などなど、これらはほんの一例ですね。他にもたくさん撮影のヒントとなるお言葉をいただきましたので実際の撮影時に生かしていきたいと思っています。

お話の後、参加者全員でこのモデルハウスを写真を撮る。
わたくしのはこれ↓OMならではの大きな吹き抜けから見下ろしたダイニングテーブルと、リビングのアングルが素敵だった(^^)


↓外構の楓の葉っぱが紅葉してきれい。建物の白壁に映えていた。
端正でシンメトリックなこの家の外観に、楓が自然木のアクセントを与えていた。


↓個人的にどうしても好きな(笑)障子と影(笑)。
奇しくも今年完成したYさまの家と同じダイニングチェアが置かれていましたよ。これもかっこいい(^^)



そしてこのエコワークスさんの素敵なモデルハウスを使って、実際に上田さんによる撮影の実演がありました。
プロの撮影風景をすぐ後ろから解説を聞きながら見られるという、贅沢で貴重な体験なのでありますね。

まず撮影の準備空間つくり、これが念入りです。
撮影の場面をセッティングしていきます。今回は四人家族がくつろぐ一続きのダイニング、吹き抜けを持つリビング。
上田さんはてきぱきと指示。テーブルの上の小物を整理したり、照明をチェックしたり・・それまでは照明器具がほとんど点灯していたのを、少しづつ照明を消していかれます。吹き抜けから見える二階の照明を消したり、「キッチンの明かりを消してみましょう・・」などとくつろぐ雰囲気の空間をつくるために不要な照明を、ひとつづつ消していかれます。作業するためには必要な照明もくつろぐのには不要だったりしますよね。・・
飾ってある小物なども省いていかれます。必要なものだけ・・できるだけスッキリとした空間にしたいのでしょうか。
テーブル上の小物たちも・・自分の頭に描かれている(たぶん)図面に?沿って整理していかれるのだ(たぶん)。
光もそうでしたね、2Fの灯りを消してくださいとか「キッチンの照明を消してここをつけましょう」・・などと想定した(たぶん)くつろぎシーンに必要な部分とそうでない部分をどんどん選り分けていくわけです。(たぶん)・・・たぶんが多いね(笑)わたくしの仮定だからね(^^)
窓際に置いてあった観葉植物も、内障子から入ってくる柔らかい明かりを奥の壁の隅にスッキリ当てたいということで、まさかの撤去。
それもかい(笑)・・しかしこれが意外とスッキリするのである。
スポットライトの向きを調整してテーブルの上を照らす光溜まりをつくる。溜まりをつくるためにそのまわりは少し暗くする。周りの不要な廊下の照明などは消す。
また、撮影するカメラの直近のダウンライトはちょっとまぶしいと・・しかし二つ連灯なのでその部分だけ消せない。ガムテープで布をライトに張り付けて光を防ぐなどの工夫をされた。これはカメラの近くで光が部分的に多すぎて写真が白くとばないようにだそうです。カメラを人の目に例えるならグレア(眩しさ)防止ということなるのだろう。

そうやっててきぱきと空間を撮影のために仕立てられていきます・・・・だんだんとダイニングとリビングの撮影空間が穏やかに浮かび上がって見えてきた。

上田さんもおっしゃっておられましたが、明りというのはその場の雰囲気をつくる、居心地の良さををつくるうえでとても大切なものだと。
光を調節する、自然光も含めて照明などの光をそのシーンに合わせてコントロールする。活動的な照明から、落ち着いた雰囲気をつくる照明まで。これが写真をとるうえでも大切なことなのだと。
撮影準備の様子を拝見しながら、そしてこの言葉を聞いて思ったのですが、カメラマンがいい写真を撮ることと居心地のいい空間をつくるわたくしらの仕事は、同じことかもしれません。

いい写真を撮ろうと努力することはいい空間をつくろうとすることだ。
住まいのいい写真をどうやって撮ろうかと勉強していけば、居心地のよい空間を創るコーディネートや設計の力も磨かれていくのではないだろうかと思ったりしたセミナーでありました。

あ、それとコンセプト。これも仮定なんですが、プロの写真家は撮影対象の建物を見た時に頭の中で撮影のコンセプトをしっかり描くのではないだろうか・・その空間が持つ力をどういうストーリーで引き出すかとか・・その描いたしっかりしたコンセプトに沿って舞台づくりがてきぱきと行われるのだ。
そのあたりもわたくしらの仕事と同じで、お施主様の土地を見て、ご家族の意向や暮らし方を勘案して「○○さまの家」という設計のコンセプトを創っていくわけですよね。そのあたりも同じだよなぁ・・と思ったりしたのでありまする。

それとなんといっても住宅が完成して、いい写真が撮れるというのはとても大きな喜びですし、かっこよく撮ってあげたいんですよね(^^)。

 野田




エコワークスの小山専務さまはじめ社員の皆様、大変お世話になりました。
ありがとうございました。(^^)
エコワークススピリットが詰まっているモデルハウスを拝見させていただきました。
新しく計画されているモデルもどんな家なのだろうといまから楽しみです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

  野田雅裕