ライティングセミナーと新商品発表会・・Panasonic(あかりは大切なもの)

Panasonicさんの新商品発表会とライティングセミナーに行ってきた。
照明器具がメインの発表会。会場は博多港近くのマリンメッセだったが、昼食会場がなぜか大宰府九州国立博物館に併設されているレストラン。
久しぶりに九博ガメラとご対面(笑)・

・どう見てもこの建物はガメラだろ(笑)・・・鏡張りの胴体は周りの森を映して、迫力有りながらも背景の森になじんでいる。
四年前にもここを訪れたました。あの時は阿修羅像が来た時だった⇒http://d.hatena.ne.jp/ifuku/20090925#1253891183

ま、それはともかく(笑)・・今回は照明のお勉強がメイン。
昼食後はPanasonicの明かり研究所の方が講師。お話をお聞きする。約1時間半の授業。
新商品の発表もかねて、その特徴なども説明があった。
新商品の一つに「パネルミナ」という技術を使ったダウンライト。
器具自体のまぶしさを徹底的に抑えていて、器具まわりの枠を無くし、導光技術で天井まで光を回すほど光を拡散させている。
なるほどと思ったのは、なぜそれを開発したかという点。
それは・・・
日本人というのは、これまでのダウンライトのように陰影がきつくシャープに出て、はっきりする明かりよりも、どちらかと言えば全体に広がるやわらかい光のグラデーションが好きなのではないか?・という仮定からとのことであった。
確かにそれはあるかもしれないなぁ・と思った。僕らもお施主様と照明の打ち合わせするとき、お施主様が一番気にかけられるのは「部屋が暗くないか・・」ということである。
このセミナーの先生が言うには「外国人の食事の時の明かりはめっちゃ、暗いですよ」と。・・・欧米人は明るい部分と暗い部分をはっきりと区別してそのコントラストを楽しむのかもしれません。暗さも味わう。日本にも「陰影礼賛」があったのだけれど・・。
日本人は何事もあいまいさを許容します。イエス・ノーをはっきりさせず、どちらかいえば全体的にぼやっとして和を大切にする社会。住まいの明かりのイメージもそんなところを引きずっているのもしれないな、とか思ったりして・・あくまでこれはぼくの仮設ですが。

ダウンライトは集光タイプや配光タイプ、ユニバーサル、ウォールウォッシャータイプなどがあり、それぞれの特徴を生かせるよう配置し、空間の明かりを作っていくわけですが、僕としてはやはりダウンライトのいいところは陰影が出て明るい部分と暗い部分を区別する。そして照らす部分を浮き上がらせるものだと思うのです。だから、この室内をまんべんなく配光して穏やかに照らすダウンライトというものは現物を見てもちょっとピンとこなかった。ダウンライトというよりはシーリングライトが極端に平べったくなったもの。という感じでしたね。
でも、天井面からボコッとでてくるシーリングライトの代わりにこのパネルミナダウンライトは天井がすっきりしていいです。名付けて「半埋め込みのプチシーリング」(^^)。それと一般のダウンライトと違って光源が直接見えず、導光で光を分散しているのでグレアレス、まぶしさが少ないところはいいですね。
でもダウンライトの役割を担わせるのはちょっと違うかな・・。形はダウンライトのようだけれど機能はシーリングライトという感じ。
採用するときはこの点に注意しようと思う。天井をスッキリさせてほんわか全体的な明かりが欲しいときにいいかも・・玄関ホールや脱衣室など狭い部屋を広く照らす。


明かりには色温度というのがあって暖かい色から順に数値が上がっていきだんだん白い色になっていきます。
これを表すのがケルビン(K)という値です。太陽の光も一日の中で変化していきます。朝の光が3000kくらい〜昼間が12000k〜夕日2800k。
なので、人間もこの光の色温度の変化が自然に感じるようです。
ろうそくの炎や夕日の色が2700k電球色。蛍光灯の昼白色が4500k〜5000k位ですね。
この数値にもそれぞれのシーンに適した値があって、夜のくつろぎの色は、電球色の光が人間には自然に感じます。2700k位の色温度は眠に導入してくれる色温度だと言われています。
この中でpanasonicの方が言われていた「温白色」という言葉を新しく知りました。
「温白色」とは電球色と昼白色の間くらいに位置する光。色温度でいうと3500kあたり。
セミナーではこの色を「だんらん適正」という言葉で表わしていました。お子さんも含めた家族だんらんの色ということでしょう。個人的にくつろぎ感としては、2800k位の電球色が好きだけれど、若いご夫婦がお子さん含めて家族みんなで楽しく過ごすにはすこし白色がかった方がいいかもしれんなぁ・・と新たに思うのでした。
大人だけでゆっくりくつろぐにはくつろぎ適正の2800k。家族だんらんはだんらん適正の3500k、子供さんの学習時は昼白色の5000kというようなシーンに合わせた光を、同じ照明器具で調色してしまおうというのがもう一つのこのセミナーの肝なのでありました。・・・・『シーンライティングは「調光」から「調色」の時代へ』・・
光の世界も深いです。・光や明かりは人間の本能や精神生活と深くかかわっているので、光をコントロールして空間をつくっていく照明設計というのは住まいづくりにおいて、豊かな可能性が広がる世界ではないかと思います。
そして慎重さも必要だと思うのであります。

『シーンライティングは「調光」から「調色」の時代へ』・・
これについてはまた今度(^^)

m.noda