カーボン・オフセットと九州の森(森林維持 山村やりがい)

ifuku2010-05-07

先日の新聞記事で見たけれど、九州の3地域で森林成長の効果を二酸化炭素(CO2)の削減量に換算して企業活動で排出したCO2の埋め合わせにあてるカーボン・オフセット(炭素相殺)の事業が始まっているそうです。
その地域は宮崎県の諸塚村熊本県小国町大分県日田市の上津江町(日田市の第三セクター・トライウッド)三箇所。

「トライウッドと諸塚村、小国町は、環境省によるオフセット・クレジット(J−VER)制度を活用したカーボン・オフセットに昨年から乗り出している。事業対象として登録した山林について、間伐などの適切な手入れによる森林成長をCO2吸収量に換算し、同省が設置した委員会が認証すれば、企業などに融通できるクレジット(J−VER)が発行される・・・・(中略)CO2削減に取り組みたい企業から森林維持の資金を得れば、それに見合う分のクレジットを無効化することで、CO2排出を相殺(オフセット)する・・・手入れ資金 都市から循環」(新聞記事より抜粋)

そして、そのクレジットの一部または全部を坂本龍一さんが代表を務める「more trees(モア トゥリーズ)」が購入するそうです。
(このmora treesは先日もこのブログで紹介しましたが、森林再生の活動をしている東京の一般社団法人です)
4月に坂本龍一さんが現地を訪れ、地元町村などと協定を結びました。

間伐をして適切な森林管理をすることで山にお金が回る仕組みですね。
「森を手入れすれば評価される仕組みができたことは、山村にとって意義が大きい」・諸塚村の担当者・・

 手入れしないと山は荒れていきます。手を入れて維持することに対価が支払われるというのがこの取り組みです。

今までは木を切り出していくら?・というモノに対しての値段だけがあって、その木材価格が低迷し林業が衰退し、森林の維持ができなくなってきている。
 しかし、森がもっているCO2の吸収、生物多様性、防災機能、リラクゼーション機能・・などの貴重な宝ものを維持して活かす、人がそれにかかわって生活できるような仕組み作りが始まっているのですね。
 木をただの木材としてだけみるのではなく、森としてみるとものすごい恵みがあります。

 さて、われわれの住宅業界も手入れして維持していくことに価値を見出すという方向に転換してますね。例えば「長期優良住宅」
・・「手入れして維持していく」という言葉にはヒト的なひびきを感じます。地球も手入れして維持していかなければならない・・これからの低成長時代のヒントになるような気がする・・と言えば大げさかな・・

 われわれが住む、都城市もぐる〜っと杉山に囲まれています。
森を活かして人を活かし、こんな取り組みができればかっこいいなぁと思うのだけど・・

この3地域ともそれぞれのホームページ見ると元気いいですよね。面白そう・楽しそう・・

m.noda