断熱工事と気密測定

ifuku2010-05-12

 都城市に完成した家の気密を測定してみました。
この家では、気密(スキマの無さ)を確保するため断熱材のウレタンを現場で発泡させスキ間無く吹きつける工法をとっています。
当社では今年から採用した工法です。商品名はアクアフォームといいます。施工状況です。

 これまで当社では、外壁周りなどの部分的に施工した物件はあったのですが、家の外皮(熱的境界部分)をグルっと全部吹き付けたのは、この住宅が初めてです。
この工法で断熱すると気密度もかなり上がり、高気密となると予想していましたが、実際、どれくらいの値が出るものか自分の目で確認する意味で測定してみました。

 建物の温熱性能は断熱材の性能と施工状況・建物の気密度に大きく左右されます。
住宅の気密度は、性能値の中でも重要視されるようになりました。



 住宅の気密度はC値として表されますが、現場で採取した気密データをC値計算用の実質床面積で割って求めます。
この家の測定結果C値は1.43でした。

 ちなみに、次世代省エネ基準値では、宮崎県などの温暖な地域では5以下、北海道などの寒冷地で2以下となっていますので、この数字はかなり気密度としてはいい値ではないかと思います。

 特別な気密施工工事も必要なくこの数字が確保できるというのは、いままで繊維系の断熱材を使ってきたわたくしにとっては驚きの数字でもあります。
現場で自分で測定してみてあらためて感じました。

断熱工事と気密工事が同時に行えるのが、この現場発泡吹きつけ工法の特徴ですね。

 ただ、廃棄という問題を考えるとですね。住宅の寿命が終わって解体するときになって、このウレタンが張り付いたボードなどをどう分別して廃棄するか・・ウレタンだけはがして分別できるかというとそんな手間はかけられないでしょう。となると木材もボードも一緒に埋設処分ということになるのでしょうか?
その点を考えるといままで使ってきた繊維系の断熱材、グラスウールやペットボトルリサイクルの断熱材などはリサイクル可能です。再利用できますね。

 んん〜断熱性能のよさで住宅使用時の消費エネルギーを少なくしてCO2の発生を抑え地球環境にやさしくするか又は有効にリサイクルして廃棄するのを極力減らし、環境にやさしくするか・・・どちらが環境保全には有利なのか?

 「自立循環型住宅のガイドライン」の中で解説してあるLCA(ライフサイクルアセスメント)によると、建物の一生(建設から廃棄まで)の中での環境負荷は建物使用時が75%とういう大きな割合を占めていて、廃棄はわずか4.1%。   
 まぁ・住宅の場合は使う時間が長期にわたるわけだからその間CO2出して負荷が大きくなるのは当然ですね。

と・なるとですね。・・やっぱり廃棄時の問題よりも断熱性能をアップして建物使用時のエネルギーを減らすほうが環境に影響が少なくなる・・のかな?・・

m.noda