木は割れたほうが強い?

 木造の住宅を造っていると避けて通れないのが木の割れ。木が乾燥していくにつれ割れが生じることがある。
途中で曲がる木もあれば、割れる木もあるし、割れない木もあったりで・・・みんな等しく「こんな管理をすればOK。」というわけにいかないところに木の難しさがあり、これがやはり木なのだ。・・・・

 今日、長年、県の林務(りんむ)に携わっている方にお話を聞く機会がありました。
いろいろお話をいただいた中でも印象深かったのが「割れれば割れたほど木は強くなる」ということ。
 
よく住宅のハリや柱などに割れが入ると「大丈夫か」と心配になりますが、逆に強度は強くなっているらしい。

 なぜ割れたほうが強いか?・・・割れるということは柱やハリに溜まっているストレス・・支えている家の重さや、木にかかるストレスを木が解き放っているとのこと。 落ち着くところに落ち着く為の通過点ということなのでしょうか?  
 ウチも時々家庭内でパキッパキッ!と・・・ゴタゴタが(笑)  


 樹たちにとってみれば、山でスクスクCO2吸ってO2出して、平和に暮らしてきたら・・・・突然鳴り出すチェーンソー。
はかなく伐り倒され、製材されて、大工の棟梁たちに手際よくキチンと組み上げられて・・上棟祭だなんだとはやし立てられ、・・ふと気がつくと故郷の山は遠く・・・
 プレッシャーを感じるのも無理はないのだ(笑)。

 木たちは時が経つにつれ自らの役目と折り合いをつけながら・・・住宅に使われた木は、その家の人々と一緒に日が経ち年を経て安定した木になると、次世代、またはその次の世代まで、その家族を見守れる柱やハリになっていくのではないか。
 そういう木のもつ力(素材の力でしょうか)を引き出す住宅の造り方をしなければならないと思います。


m.noda・・m.noda9124@gmail.com