原木から・・

計画を進めて、9月の上棟を目指すMさま邸。
お施主さんのおじいさんが植えられたという杉を使って建てます。

60年たった杉の木です。


先月、山から搬出して製材所に集積していましたが、いよいよ原木を製材しました。
製材する様子をお施主さんと一緒に見学してきました。


木造住宅の建築に携わる僕らも、山から原木を搬出してそれを製材するという過程を目のあたりにすることは、日常ではなかなかありません。





↑化粧の梁を取ります。



久しぶりに大きな電動の鋸で丸太が削られて角材に製材されるというところを見ました。
普段の住宅計画では機械でプレカットされた部材から携わるのですが、丸太が製材される様子をみたら・・う〜んと、ちょっと違った感じでした。
なんていうんでしょうか・・・やっぱりなんでもいきなり製品になるのではなく、こういうプロセスを経ているわけなんですね。
現在ではそれを見ることはほとんどないのですよね。なんにおいても。
改めて、こういうプロセスがあるのだという(当たり前なんだけれども・・)ことを目の当たりにした貴重な日となりました。
お施主さんもご自分の家に使われる柱は桁、大黒柱が目前で出来上がっていくのを見て安心されたのではないでしょうか。
現代の住宅建築では、木材供給から着工、工事完成というプロセスの中では、その過程が切断されているのですが、なんかこの計画ではそれが連続しているような感じがします。


山の杉で製材した梁や大黒柱は、この家で見えるところに使う予定です。

この杉で組んだ梁や大黒柱に囲まれた空間のリビングのソファ座って薪ストーブの炎を眺めながらくつろぐ・・・という光景を想像してしまいます。
省エネ性能も大事ですけれど、心の安らぎ的な部分があるといいなと思っています。

m.noda