「石橋美術館展」・・・・宮崎県立美術館


 県立美術館で開催中の美術展に行ってきました。
絵画などには全くの素人のわたくしですが、この「石橋美術館」についてはなつかしく感じて、この展覧会の紹介記事を新聞で見たときから行ってみたいと思っていました。

 石橋美術館ブリジストンの創業者である石橋正二郎氏が福岡県久留米市に寄贈したものです。その美術館の収蔵作品を今回は宮崎県立美術館で8月30日まで展示しています。

 久留米の石橋美術館には、幼い頃叔母に連れられて行ったことがあります。
当時の記憶はほとんどないのですが、展示してある絵の中で主作品である青木繁の「海の幸」をみて、変な絵だなと思いながら少し怖かったのを覚えています。
 そして、その「海の幸」と数十年後の再会。壁画みたいな大きなイメージがあったのですが思っていたよりも絵のサイズは小さい。(それでも畳一枚くらいの大きさですが。)・・当時は子供の目線だったからでしょう。
 下書き用のグリッド線や輪郭線などが残っているのが生々しい。

 描かれている行列の男たちの中に、一人だけこちらを見ている青年の白い顔が印象的。なにか言いたそうにも見える・・「おい、ひさしぶりだなお前、ずいぶん変わっちゃってまぁ。・・しょうがないか・アレから40年だもんなぁ・・・・・オレをココから出してくれよ。もう100年もこうやってるんだぜ・・」なんてね(笑)
青木繁の作品では、他に「大穴牟知命」が迫ってくる感じ。やはりこれも描かれている三人の中の一人の女がこちらを見つめている。
くらべて「わだつみのいろこの宮」は安定感があってやさしく美しい。解説書によると作者の恋人がモデルとのこと。

他には、黒田清輝の「針仕事」・浅井忠の「樹下の女」・和田栄作「早春(富士)」・山下新太郎「ブルターニュの女」など・・・初めて見るような作品ですが、好きな絵の前にはしばらく立ちつくしましたね。名画に囲まれ贅沢な空気と時間をいただきました。

また、行きたい。・・ お勧めです。              
m.noda






※もちろん撮影禁止。写真の絵はパンフレットより・・